楽しさなんて少しでイイ
僕は家事の仕事をしているくらいだから、家事が嫌いではありません。でも、「家事は好きですか?」と聞かれ、「好きだ!」と言い切る自信はありません。嫌いではないと好きの間には、ずいぶん隔たりがあります。
誰にでも得意不得意、得手不得手があるように、僕にもそれはあります。苦手なのは大きなスペースでの収納や片付け。というのも、長い間、狭い部屋でモノの少ない生活をしていたので、結婚してモノがいっぱいの人と暮らし始め、そのギャップがなかなか埋められず、それが今も続いている感じ。僕の仕事部屋は、前に比べるとシンプルに落ち着いてきたけど、リビングや洗面所など共用スペースの収納や片付けは未だに苦手。どこか他人のスペースという認識もあって、勝手に手を付けていいんだろうか?というような気持ちもある。だから、散らかってきて「片付けないとなぁ」と切迫感が出てくると、どうしても憂鬱。
苦手な領域がある一方で、得意な領域も。料理は基本的に得意で好きだけど、それでも楽しくない時もある。休みの日の昼ご飯なんて、本当にメンドウ。「自分一人の昼ご飯なら、インスタントラーメンに卵とネギだけですませられるのに…」と思うくらい。でも、新しいメニューにトライして、それが美味しくできた時なんかはやっぱり楽しいし、「やっぱり料理ってオモシロイ!」と思える。そんなのは月に数回?もしかするとまったくない月もあるくらい。
でも、たまに楽しい時があるくらいで十分。それがあるから、メンドウな時もなんとか乗り越えられる。日々の「なんとなくやってる家事」に、たまのキラキラ家事が入り込むから新鮮に思えるわけだし。「たまにでもある!」と思えるから続けられるし、嫌いにならずにいられるし。
得意と不得意、好きと嫌い、楽しいと楽しくない。いろんな尺度があるから、それを自分の都合に合わせて使い分けながら、なんとか続けていけるように自分をもっていく。できれば家族ももっていくことができれば、それでイイと思う。楽しさなんて少しでイイんです。他に楽しいことがあるのなら、なおさら家事の楽しさなんて追求しなくてイイと思います。