5/14「ビビット」の補足


今朝(2018年5月14日)のTBS「ビビット」に登場しました。一連の「名もなき家事」関連での登場でした。

これまで、家事なんてまったく関与してこなかった男性が、少し関わるようになった結果、「それだけで家事したつもりにならないで」という女性の声とともに、メディアでは取り上げられることの少なかった作業が「名もなき家事」として、認識されるようになったのだと位置づけています。

今回もいろいろと準備したものの、使われた部分はごく一部分でした。そんな放送内容にちょっとだけ補足します。


「夫がやる気をなくす3大NGワード」として「やって当たり前」「自分でやった方がマシ」「何やっても下手ね」が採用されました。準備段階では、「こんなコトもできないの?」「言われなきゃわからない?」「できない人ね」「なんでそうするの?」「これでもやったつもり?」なども用意していました。実際に、僕たち夫婦で出し合ったら、二人して口の悪い関西人なせいか、「これイケル」「これはダメージ大」など出るわ出るわ。

もう一つ、ワードではないのですが、「無視」「スルー」も用意してました。これは「やって当たり前」と重なりますが、声すら出さないというのが、けっこう「やったつもり」の人にはダメージになるのです。

ダメな方だけを番組で紹介したので、

「じゃぁ、なんて言えばイイのよ?」

になると思います。準備の段階では、用意していたのですが、残念ながらコーナーの長さの関係でカットされたようです。

基本、おすすめの言葉は、「次もやろう!」という気持ちにさせる内容です。「いい大人でしょ?メンドウくせぇ」とお思いでしょうけど、人を動かすというのは実際メンドウなものなんです。クレヨンしんちゃんだと思って、声かけして下さいませ。
 
 
1.「ありがとう」など感謝表明系
 
「ありがとう」
 
とにかく感謝されて悪い気になる人はいません。「やって当然」と思いつつも、やらなかった人がやるようになったのは大きな前進。という広い心で感謝を示す言葉が一番効きます。ある程度、家事するようになった人でも感謝はウレシイもの。とくに「『やって当たり前』と思われてるのでは?」と思いはじめる頃に「ありがとう」があると、「やっぱり続けてよかった」と思えるもの。自分が言われてうれしいことを口にするのが基本。
 
できれば、具体的に
 
「◎◎してくれて、ありがとう」
「毎日ありがとう」
 
だと、「またやろう!」という気持ちはより強くなるはず。さらに、ここに思いやりを加えると、もっとやる気になってもらえるはず。
 
「忙しいのに、ありがとう」
「疲れてるのに、ありがとう」
 
ありがとうの前に一つ加えるだけですが、次へのやる気スイッチをいれてくれます。「今さら『ありがとう』なんて言いにくい」という人にオススメなのは、「ありがとう」の前に「あ!」と一語加える方法。
 
「あ!ありがとう」
 
にすると、はじめの軽い「あ」で口が動きやすくなり、続く「ありがとう」が発声しやすくなります。
 
 
2.「スゴイ!」など成果評価系
 
成果を評価されるというのは、誰しもウレシイもの。「あれ?ここ違うな」というところもあるでしょうけど、そこはグッとこらえて、プラスの変化を探して好評を与えて下さい。ええ、メンドウくさいと思いますが、なにせクレヨンしんちゃんですから。
 
これも、「スゴイ」だけだと、万能過ぎて嘘くさくなる可能性があるので、より具体的に
 
「キレイになってる!スゴイ!」「オイシイ!」「片付いてる!」「見違えた!」
 
と評価すると、ちゃんと見たり感じたりして評価していることが伝わります。「キレイな仕上がり」「高いところまでやってくれた」「豪快な拭き取り」「絶妙な味付け」「インスタ映えな盛り付け」「見事な並び」…など、どこか好評ポイントはあると思います。
 
ものは言い様です。
「くいしん坊!万才」に出演していた山下真司さんのインタビューのやり取りで
聞き手「美味しくない料理が出てくることもあったと思いますが、どうしてたんですか?」
山下さん「『素朴な味わいですね』と答えてました」
というのを聞きました。
このように、どんなことも、なんとでも表現できます。
 
 
3.「さすが!」など人物評価系
 
「さすが!やっぱりパパだね」など、その人ならではの持ち味と成果をあわせて評価する。これも、ウレシイ人にはウレシイもの。ところが、これはイヤミと紙一重。普段の人間関係に大きく影響されます。
 
イヤミにならないようにするには、やはり、より具体的かつ公正な評価が必要。
 
「さすが現役整備士!故障が直ってる!」(仕事と関係あるのか?などツッコミは置いといて)
「あの材料でココまで美味しくできるの?!ぜったい料理の才能あると思うよ」

よく「ほめる」講座で紹介される「さすが」系。家庭では少し難しそうですね。具体的かつ公正な評価しながらのやる気アップ。つまり人材育成の能力が問われるということです。
 
 
 
番組を見て感じたのですが、夫が思ったように家事しなくてイライラするのは、本当によくわかります。ですが、身も蓋もない言い方をすると、そんな人を伴侶として選んだのは自分だし、長年家事させずにそんな人にしてしまったのも自分なわけです。「やる気にさせる言葉」がメンドウに感じるのも、モトはといえば自分がまいた種。メンドウなのは当たり前。

でも、これまで、その種になにも世話してこなかったのは、言い換えれば、伸びしろが十分残っているということ。今から水をやり(やり方を教え)、肥料を与えると(やる気になる声かけをすると)、芽が出て、花が咲いて、実がなるかも。種がダメになってしまう前に(要介護になる前に)今からでも育てましょう!
 
諦めないで!
 
「ビビット」の番組MCの真矢ミキさんに言って欲しかったひと言。
 
2018年4月28日に掲載された東京新聞での連載記事も参考(記事はこちら)にどうぞ。
 

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